中小企業には不況はない!

今日は、私たち稲垣公認会計士事務所のクライアント間の交流会「双肩」があり、講師として靴下専業企業として唯一の上場会社であるタビオ株式会社の代表取締役会長・越智直正様にご講演をして頂きました。講演のテーマは「苦境・逆境で支えてくれた古典の名言」でした。

越智会長は、中学校卒業と同時に靴下問屋に丁稚奉公に出され、封建的な環境で大変にご苦労をされたそうです。そんな時に、越智会長を支えたのが「古典」だったそうです。今日の講演は、古典の中でこんな話がある、こんな本が良い、この文章はこういう意味だ、といった内容と想像していましたが、実際の講演内容は、「古典」よりももっと深淵なことでした。

越智会長の話の内容はこうです。

「知識」は道具であり、ここに様々な体験が加わると「見識」になり、それを積み重ねることで「胆識(たんしき)」になる。

「知識」を「胆識」に変えられるかどうかは、、「死生観」を確立できるかどうかである。

「死生観」は人生の目的であり、自分の「理想」や「志」をどこに置くのかということである。

このことが理解できていなければ、「古典」を勉強しても、単なる知識であり、道具に過ぎない。

少し難しいですが、私はこう理解しました。

中途半端な気持ちで古典を勉強しても、単なる「知識」になるだけである。その前に、自分のやるべきと思うことを「必死」にやりなさい。「必死」にやると壁にぶち当たるが、これも「必死」に乗り越えなさい。乗り越える時には、先人の知恵が参考になるだろう。この「必死」にやることが私たちに唯一できることである。そして、どこまで「必死」にやれるかは、私たちの「志」次第である。

越智会長曰く、「自社の業績の低迷の原因を、景気のせいだと言っている中小企業の社長がいるが、中小企業は、日本の市場全体の中のごくわずかな商売しかしていない。我々、中小企業には、まだまだやれることが残っている。中小企業に不況はないんだ。」

自分の「志」や「必死さ」が、まだまだであることを痛感しました。

越智会長、素晴らしいご講演をありがとうございました。