初心に返る

稲垣会計のクライアントの社長で、そのアイデアと実行力の素晴らしさに、いつも感服させられる方がいらっしゃいます(以下、A社長と言います)。今までに、私もA社長の素晴らしいアイデアの真似をして、稲垣会計に取り入れたこともたくさんあるほどです。今日は、先日、A社長からお聞きした話で、私が「凄い迫力!」、そして「これならできる!」と思ったことを記録したいと思います。

A社長は、「今年の秋以降、企業倒産が急増加する。」と考えています。その上で、A社長が、今、自社で実行しようと考えていらっしゃることが次の2つです。

①時代の流れに敏感な若い経営者でないと、現状を打破できない。なので、いったん現在の全役員に辞任してもらい、その上で新しい役員を選任したい。

②操業度が右肩上がりではない時代の従業員の給与は、基本給を限りなくゼロとし、原則として仕事量(時間)に応じて支払うことにしたい。法律に違反しないギリギリの範囲で、できるだけ早く全社員を時給制に変えたい。

私たち中小企業は、技術的にも財務的にも取引関係においても、大企業と比べれば極めて脆弱です。そんな私たちが、現在の閉塞状況を打破して、次のステージに進むためには、今までの常識で物事を考えるのではなく、これからの時代の常識で物事を考え、会社の舵取りをしなければならないと思います。A社長のお考えは、一見「強引」ですが、非常識人の稲垣としては、とても理にかなっていると感心しました。それと同時に、A社長の「①と②を実行する」という思いの強いことにも感心です。政府や法律は、私たち中小企業を守ってくれはしない。自分たちの力で、自分たちの会社を守るしか方法はないんだ、と。

A社長のお話をお聞きした時の、稲垣の感想は以下のようなものでした。

・自分は、時代の流れに敏感だろうか?

・「自分達の会社は、自分達の手で守る」という当たり前の思いを、今まで以上に強く持つ必要があるぞ!

しかし、よく考えてみると、2点とも私たちが独立して起業した頃に自信のあったことです。意外と、この100年に1度の不況を乗り切る方法は、「初心に返る」ということなのかな、と思い、何だか力が湧いてきました。

以上