日本経済に期待感あり

先日、サンデープロジェクト等で有名な経済ジャーナリストの財部誠一さんの講演を聞く機会があり、内容が素晴らしく、とても元気がでる講演でしたので、皆さんにご報告をしたいと思います。

財部さんの講演の内容は、「日本経済に期待感あり」というものでした。

その理由は、概ね次の2点だという説明でした。

第1に、リーマンショック後、世界経済は、「先進国中心」から「新興国中心」への変化が加速した。特に、中国、インド、インドネシア等のアジアの新興国の消費市場は、日本の1970年代とほぼ同様のサイクルに入ったことは確実である。これらの地域は、「世界の工場」ではなく、「消費市場」へ変化を遂げようとしている。欧米の先進諸国は、アジアの巨大な消費市場に、地理的に近い日本のことを羨望の眼差しで見ている。

第2に、それらの消費市場においては、絶大な「メイドインジャパン」ブランドに対する信頼がある。そのため、台湾や韓国は、「メイドインジャパン」ブランドに、今後、いかに絡んでいけるのかという視点から、技術力の高い日本の中小企業を注目している。具体的には、「メイドインジャパン」になるために、日本の中小企業の買収や提携を真剣に検討している。日本の部品を買うのではなく、日本の中小企業を買う、または提携することを考えているようである。実際に、韓国のサムスンは、そういった目的で、日本の中小企業との勉強会を重ねているとのことである。

日本の中小企業は、今までの納入先である日本メーカーの海外進出による空洞化や日本の消費市場の成熟化により、国内での存続について悲観的な状況であった。

しかし、アジアの巨大消費市場向けの「メイドインジャパン」ブランドの生産に関する台湾、韓国メーカーとの連係拡大があれば、大きな存在感を誇示できると考えられます。

財部氏によれば、「内向きに失望感、外向きに期待感」です。

この講演を聞いて、私は、日本の中小企業の将来への強い明るさを理解することができました。

中小企業の支援をする立場にある私たちも、日本の中小企業が、台湾や韓国企業との提携のお役に立てるように、準備を進める必要がありそうです。