今後の日本経済について

今日は、ある会合で、私の尊敬する名古屋大学経済学部の塚田弘志教授にご講演をして頂きました。

塚田教授は、元大蔵省の官僚で、四国財務局長などの要職を歴任された方です。

テーマは、「私はこう見る、『世界同時不況と今後の日本経済」でした。

大変に論理的で、切れ味鋭いご講演でしたので、皆様にカンタンに要旨をご報告します。

①日本経済は底を打ったと考えられるが、今後の回復は、きわめてゆっくりとしたものしか期待できないと考えられる。

②その理由は、日本の主な輸出先である、アメリカ、ヨーロッパ、中国が以下の理由で、暫くは、それほどの大幅な輸出の増加は期待できないと考えられるからである。

③アメリカは、経済状況は底を打ったと考えられるが、アメリカ人の消費の源泉である住宅価格は未だ上昇傾向にはない。

④ヨーロッパは、単なるアメリカ金融不況の飛び火だけではなく、固有のバブル崩壊が複合して発生しており、予想以上に悪い状況であり、回復にはまだまだ時間がかかる。

⑤中国は、経済成長率8%と言うが、所詮GDPは日本とほぼ同じ500兆円規模であり、アメリカのGDPに換算すれば約3%成長に過ぎない。従って、日本からの輸出増加の絶対金額は多くを期待できない。

なるほど、説得力があります。

つまり、日本経済回復の先行指標は、「アメリカでの住宅価格」と「ヨーロッパ全体の経済成長率」であり、いずれの指標も改善傾向にない、というわけです。

私も、これから暫くは、この2つの指標を注意深く見守りたいと思います。

ご講演の最後に、総選挙での勝利が予想される民主党の政策についてもコメントがありました。

どうしてマスコミは、塚田教授のように論理的に「ケタ違いのバラマキ」の功罪について説明をしないのか疑問に思えてしまいました。

これも、日本の政治が良くなるために通らなければならない試練なのかな、と思ってしまいました。

塚田教授、クオリティーの高いご講演をありがとうございました。

次回は、美味しい酒を飲みながら、楽しく志の高いお話を聞かせてください。

以上